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労働問題

2015年3月26日 木曜日

有給休暇取得、企業の義務化について

今国会に提出予定である労働基準法改正案のポイントのひとつに、「年次有給休暇の時季指定権の企業側への一部移行」があります。
これは、低迷している有給休暇の消化率を高めることを目的として、企業に対して、従業員に取得時期を指定することを義務づけるというものです。

この改正案の概要は、年次有給休暇の取得率が低迷している実態を踏まえ、年次有給休暇の取得が確実に進むよう、従業員の有給休暇の一部を、企業側が時期を指定し取得させるという義務を負うことで、有給休暇消化率を改善しようというものです。

今月の6日に開かれた労働政策審議会労働条件分科会においては、業に義務付ける日数を「5日」とする方向性が固めらたところです。

なお、同分科会の報告書案に下記文面が追記されていますのでご紹介いたします。

「労働者が時季指定した場合や計画的付与がなされた場合、あるいはその両方が行われた場合には、それらの日数の合計を年5日から差し引いた日数について使用者に義務づけられるものとし、それらの日数の合計が5日以上に達したときは、使用者は時季指定の義務から解放されるものとすることが適当である」(一部抜粋)

「使用者が各労働者の年次有給休暇の取得状況を確実に把握することが重要になるため、使用者に年次有給休暇の管理簿の作成を省令において義務づけるとともに、3年間確実に保存しなければならないこととすることが適当である」(一部抜粋)

これらを元に法改正が行われると、企業は、就業規則の改定や、年次有給休暇の計画的付与制度の導入・見直し、年次有給休暇管理簿の作成などの対応を講じる必要が出てきます。

なお、政府は2020年までに年次有給休暇取得率70%を達成する目標を掲げていますが、「平成26年就労条件総合調査結果」に
よると取得率は48.8%(前年47.1%)と、依然として50%に達していない状況です。

少子高齢化の進展により、企業には、少ない労働力でいかに生産性を高められるかが求められ、併せて労働環境の改善のために、様々な政策や法令が検討されることが予想されます。

長年継続されてきた会社のルールを作り直し、定着させるまでには、想像以上の労力を要しますが、こうした法改正等は、時代
背景や社会情勢を踏まえて行われるものであり、企業にとっては、従業員の労働環境を改めて見直すことができる良い機会だと捉えることもできます。

今国会には、前述の年次有給休暇の取得推進に係る取り扱いの他にも、労働時間の規制を除外する、いわゆるホワイトカラー・
エグゼンプションの導入や、裁量労働制・フレックスタイム制の変更など、「働くルール」に関する重要な改正案が提出される
予定です。

弊社では、この労働基準法改正案の動向を注視し、企業としての対応策について、適宜ご提案してまいります。

投稿者 株式会社マーシャル・コンサルティング | 記事URL

2015年3月10日 火曜日

厚労省「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達」その内容は? 注意点は?

◆通達が出た理由
企業は、妊娠・出産、育児休業等を「理由」として、従業員に対して不利益取扱いを行ってはなりません(男女雇用機会均等法9条3項、育児・介護休業法10 条等)。
例えば、妊娠中・産後の女性従業員や子を持つ従業員が、時間外労働や休日労働・深夜業をしない、育児時間を取る、短時間勤務を請求するなどを理由として、解雇や雇止め、減給を行うこと、非正規社員とするような契約内容変更を強要すること等は、不利益取扱いにあたります。
一方、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い等の相談件数が依然として高い水準で推移していることや、昨年 10 月 23 日に男女雇用機会均等法9条3項の適用に関して最高裁判所の判決(広島中央保健生活協同組合事件)があったことなどを踏まえ、この度、厚生労働省より、「妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達」(1月23日)が出されました。

◆通達の内容
通達では、①妊娠中の軽易業務への転換を「契機として」降格処分を行った場合、原則、男女雇用機会均等法に違反する(=妊娠中の軽易業務への転換を「理由として」降格したものと解され、不利益取扱いにあたる)としています。
また、②妊娠・出産、育児休業等を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、原則、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法に違反する(=妊娠・出産、育児休業等を「理由として」不利益取扱いを行ったと解される)としており、注意が必要となります。

◆不利益取扱いとならない場合
ただし、
① 業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを
  行わざるを得ない場合において、その業務上の必要性の内容や程度が、
  法の規定の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、
  当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる
  特段の事情が存在するとき、
②契機とした事由または当該取扱いにより受ける有利な影響が存在し、
  かつ、当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、
  有利な影響の内容や程度が当該取扱いによる不利な影響の内容や
  程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれば
  同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき等
の場合は、違法とはならないとしている点にも注意してください。

投稿者 株式会社マーシャル・コンサルティング | 記事URL

2015年3月 2日 月曜日

実務に大きな影響が!「労働時間」に関する法改正の動向

◆「報告書案」が示される
労働時間をめぐる法改正の動きが活発化してきました。
2月6日に労働政策審議会労働条件分科会(第124回)が開催され、「今後の労働時間法制等の在り方について(報告書案)」が示されました。
前回の分科会(1月29日)での議論を踏まえて「報告書骨子案」から「報告書案」となりましたが、労使間での合意までには至らず、「報告書」の決定は持ち越しとなっています。

◆「報告書案」のポイント
上記で示された報告書案では、主に次の内容が記載されています。
・改正労働基準法の施行は「平成28年4月」とすること。
・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(5割以上)の中小企業への適用猶予の撤廃時期は「平成31年度」とすること。
・使用者に年次有給休暇の時季指定を義務付ける日数(付与日数が10日以上である労働者が対象)については「年5日」とすること。
・上記措置に伴い有休管理簿の作成を義務付け、3年間保存しなければならないとすること。
・フレックスタイム制の精算期間の上限について現行の1カ月から「3カ月」に延長すること。
・上記精算期間内における当該月の割増賃金の支払対象は「1カ月ごとに1週平均50時間を超えた労働時間」とすること。
・裁量労働制の適用拡大の対象は「課題解決型提案営業の業務」「企画立案調査分析を一体的に行う業務」等とすること。
・高度プロフェッショナル制度の対象者の年収は「平均給与額の3倍程度を相当程度上回る」(1,075万円を想定)とすること。

◆今後の流れは?
今後、これまでの議論を踏まえて「報告書」が示された後、報告書の内容をもとにした労働基準法の改正案が通常国会に提出される見込みとなっています。
いまだ労使の対立が激しい内容も含まれていますが、企業実務に大きな影響を与える改正になりそうですので、議論の行方に注目しておかなければなりません。

投稿者 株式会社マーシャル・コンサルティング | 記事URL

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