◆予断許さず
新型コロナについては、指定感染症からは外す方向で議論が進められるようですが、すでに緊急事態宣言がなされてから痛手を負っている企業も多く、今後の景気回復も急激に良くなるとの予想はされていません。
倒産や解雇の増加という波が時間差でやってくるとも予想されます。
また、冬に向けて、新型コロナ感染者のさらなる増加や、ウイルスの変異による感染力の増強、さらに別のウイルス等による感染症の発生なども考えられます。
今は持ちこたえている企業でも企業体力や今後の情勢によっては、コロナ禍による業績の落込みから正社員の整理解雇等を検討せざるを得なくなるかもしれません。
「コロナだから、緊急事態だから」と言っても、裁判例上は、コロナによる業績の落込みは天災地変等のやむを得ない事由ではなく、経営上の理由による解雇と扱われる場合がほとんどと思われます。
正社員の整理解雇は、ご存じのように厳格な要件(要素)で判断されます(整理解雇の4要素)。
◆可能な限り解雇を回避する
この4要素の一つとして「解雇回避努力義務の実行」があります。
整理解雇の実施にあたっては、可能な限り雇用を確保(解雇せざるを得ない場合でも労働者の負担をなるべく軽減)するべく、取れる方策を模索し、準備しておくべきです。
・転勤、出向等による異動
・休業手当を支払って自宅待機等を命令(一時帰休、再就職支援休暇など)
・休業手当相当の退職一時金を支払い、雇用契約を合意解約
・訴訟となるリスクを考慮しつつ、退職金の上積み等を提案し、退職勧奨
というような方策が考えられます。
◆就業規則等の確認を
また、そうした方策をとる前提として、一時帰休の際の賃金の扱い(休業手当相当額を減額する規定)、コロナ等の事態が発生した場合の整理解雇があり得ること等は、就業規則や個別の労働契約に明記しておくことが重要です。
コロナ等による整理解雇に備え、説明資料や社員の説得のための資料なども、事前に準備しておくべきでしょう。
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