テレワーク下の新しい人事評価制度

テレワーク下での従来型人事評価の問題点

新型コロナウイルス感染症の広がりにより働き方が大きく変わり、会社に出社せずテレワークで仕事をすることが当たり前になりました。
多くの企業では人事評価について、部下の仕事ぶりを観察していないのに、どうやって評価したらよいのかという大きな疑問に直面しています。

従来の評価制度では、

・コミュニケーション力が高いか
・リーダーシップを発揮しているか
・積極的にチャレンジしているか

などについて上司が普段からしっかりと部下の行動を観察し、それを評価することがベースになります。

しかし、新しい生活様式での働き方は上司が部下の仕事ぶりをこれまでのように目の前で見られなくなってきており、従来の評価方法では対応が難しくなっています。

 

パフォーマンス・フィードバック

そこで注目されているのが、パフォーマンス・フィードバックです。

パフォーマンスフィードバックとは、「行動事実の振り返り」を指します。
他者の評価やアドバイスは加えず、ただ実行したことを振り返るという手法です。

社員ひとりひとりが自身の行動を記録し振り返ることで、社員自ら今後の行動を変化させ、それぞれに合った改善が可能になります。

但し、従来型の評価では評価点を算出するのでそれをもとにして賃金・賞与を決定することができますが、パフォーマンス・フィードバックは評価を行わず評価点を算出しないため、評価点に基づいて昇給額や賞与額を決めることはできません。そのため、何に基づいて賃金・賞与を決定するか方法を決めておく必要があります。

 

1 on 1 ミーティング

さらに、個別面談(評価面談ではない)により進捗の確認を行ったり、人材育成中心の1 on 1 ミーティング(上司と部下が1対1で向き合い、話し合う場、以下「1 on 1」)を始めている企業もあります。

人事評価の運用段階で面倒で負担だと考えられている評価に替えて、1 on 1 を定期的(毎週または毎月)に続けることで次のような問題の解消につながります。

・評価者からの「期末の評価は忙しくてできない」「上司の負担が大きい」という悩み
・部下からの「上司の評価にはばらつきがある」「結局好き嫌いで評価されている」などの不満

上記のパフォーマンス・フィードバックと合わせて導入すると効果的です。

 

評価制度設計に大切な視点

どのような制度を主流として導入するとしても、社内における「役割」を整理し、「役割」単位で等級を決め、その役割の遂行度・発揮度で給与を決めていくことがポイントです。営業・物流・人事総務経理といった職種ごとに役割等級に合った給与を決めることも可能です。

また、特に「必要なスキル」と「望ましい姿勢」も役割等級表の中に作っておくと育成目標が明確になり、次にどの点のスキルを上げていくか目標を設定しやすく取り組みやすくなります。

目標を設定することで、日々の社員の行動が会社の目標を達成する行動に結びついていきます。より会社の経営計画の実現に貢献し、自発的に進めていける社員を育てていくことが可能になります。

評価方法それぞれの特性を把握したうえで、自社の人事評価制度を決めていくことが重要です。


マーシャルでは、このような評価制度の設計・導入後の運用のサポートを行っています。自社に合った制度の設計についてご興味ありましたら、お気軽にご相談ください。

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